2020年11月01日
iPhone/iPadでライン入力
知り合いからiPhoneで配信をやりたいと相談を受けた。配信をやる時にDJミキサーから音を取り込みたいということで方法を考えてみた。
iPhoneはLightningコネクタで普通の3.5mmジャックが付いていないからとりあえずこれは必須として、これから普通の3.5mmジャックに分岐するのにはこれも必要と。
ただ、これだけだと上手くいかなかったので注意が必要だ。
手持ちのiPadで動作確認をしてみると、エレコムの変換ケーブルのマイク側のジャックに3.5mmの3極のプラグを差し込んでみても入力がこのジャックに切り替わらず、内蔵マイクのままになるようである。
何度かプラグを抜き差ししながら挙動を確認してみると、外部入力に切り替わるようなそぶりを見せる時があり、その後に内蔵マイクに戻るというふうな挙動が見られた。
試しに、手持ちの4極プラグのイヤフォンマイクを繋いでみるときちんとイヤフォンマイクの方に切り替わる。
なので、接続された機器が何であるかを識別している仕組みが入っているということがわかった。
では、その仕組みはなんなのかということだが、このくらいシンプルな構造で識別をするためには接続された機器のインピーダンスを計測するのがごく一般的なので、おそらくそういう仕組みだろうと思われた。なので、イヤフォンマイクのマイク端子のインピーダンスを計測してみると、1.5kΩ程度であった。
これを開放にするとインピーダンスが無限大となり、ライン出力やヘッドフォン端子などを繋ぐとインピーダンスが比較的低くなる。なのでその値で入力を内蔵マイクか外部入力に切り替えるようになっているのだろうと推測した。
で、その入力が切り替わる値はどれくらいなのかということで、適当な抵抗を繋いで実測してみると、500Ωくらいから10kΩくらいまでの範囲で外部入力側に切り替わることがわかった。
多分この辺は使われているコーデックICの仕様書を見れば書いてあるのだと思うが、とりあえず時間がないのと、使われているコーデックICの見当がつかないので、実測したというわけである。
さて、ここまでわかればあとはその仕組みに合った変換ケーブルを自作すれば良いだけである。
4極のCTIA規格のプラグとジャックはTRRSのSの端子がマイクレベルの入力端子になっており、これにそのままラインレベルの信号を突っ込むと激しく歪むので、多少の減衰をさせてあげる必要がある。
そこで、外部入力に切り替えさせるためのインピーダンスとして5.1kΩ、減衰させるための抵抗として47kΩを挟むことにした。
それを絵にするとこんな感じで、回路的には上の絵、ケーブルの途中に挟み込むための効率を考えて下の絵のように構成した。これを普通の3.5mmTRSプラグが両端に付いたケーブルの途中を切って挟み込むことで、外部入力への切り替えと減衰の機能を持った変換ケーブルが出来上がる。
これを繋いで試してみると、きちんと入力が切り替わり、おおよそ所望の入力レベルになるケーブルに仕上がった。
という感じで、iPhoneやiPadで一番安上がりに外部入力を行いたい場合はこういうケーブルを作った方が良いと思われる。ただし、4極のジャックのマイク入力はモノラルなので、ステレオで入力をしたい場合はこの方法は使えない。
ステレオで入力がしたい場合はこっちのアダプタを買って、オーディオインターフェースをUSB接続する方が確実である。
手持ちのFocusrite Scarlett 8i6 Gen3は何もしなくても認識し音の出し入れが可能だったので、予算があれば。
2024/08/12追記
改良版のケーブルはこちら